(最終更新日 2018年07月19日)

世界のエネルギー事情をみてみよう~第一弾~③

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近年の深刻な地球温暖化問題や環境問題を考えるために、世界のエネルギー事情を知ることも大切です。

各国・各地域ごとに異なる現状や課題に目を向けてみましょう!

>>世界のエネルギー事情をみてみよう~第一弾~①
>>世界のエネルギー事情をみてみよう~第一弾~②

 

 アジア編③ =

 

アジア各国のエネルギー事情は、国や地域によって大きな差があり、電力政策や課題等もそれぞれですが、

発展途上国も多く、今後長期にわたり電力需要の拡大が見込まれる地域といえます。

 

ここでは、アジアを代表する中国韓国、そして1990年代より経済成長を続けているインドについてご紹介します。

 

★3:経済成長真っ只中!【インド】のエネルギー事情

 

 

 

高度経済成長と電力不足

 

現在の人口は世界第2位、国土は世界第7位

アジアの中でもエネルギー資源が多く、特に石炭資源に恵まれているインド。

1990年代からの高度経済成長の影響もあり、世界でも有数のエネルギー消費国となりましたが、

都市部と地方によって格差が大きく、国全体のエネルギー消費は増加しているものの、

地方によっては電力が供給されていない地域もまだ多く残っています。

国内では常時10%程度の電力不足が続いており、4人に1人は電気を使用できていないとも言われています。

 

(※人口が多いため、国全体の消費量に対し一人あたりの消費量は平均を下回っています)

 

政府は1990年代当初に経済改革を行い、電力部門においては民間企業や外資系企業の参入を期待し規制を緩和、

電力の自由化を開始しました。しかしながら、その期待に反し民間企業の参入はなかなか進まず、

慢性的な電力不足の解消にはいまもなお至っていません。

 

つまり。この状況を言い換えると・・・

『経済成長の影響で電力不足』⇔『電力不足によって経済成長にも黄信号』と、悪循環が続いている状況なのです。

 

 

貧困層の料金滞納問題!?

 

インドは他国に比べ、農業分野での電力消費が多い傾向にあります。

地域格差をなくし安定した電力供給を目指す一方で、地方にはいまだ貧困層も少なくないため、

農業用料金は格安に設定しているにもかかわらず、それでも電気料金の未払いや電気泥棒が多く、

電気事業は年々負債が増え赤字続きとなっています。

政府や電力会社にとっては、長年続くこの財政難をいかに回復するか、

これもまた頭を悩ます問題の一つとなっているのです。

 

 

100%再生可能エネルギーへの道

 

恵まれたエネルギー資源をもってしても国内需要をまかなうには不十分となった昨今。

石油や天然ガス等の一次エネルギーの一部は輸入に頼っており、またその量は年々増加傾向にあります。

 

この状況を改善すべく、政府は2003年より5年単位で国家電力計画を策定、

再生可能エネルギーの設備容量の増強を積極的に進めることで、

電力不足の解消や環境問題への対策として取り組んでいます。

 

既に数年前より広く導入が進んでいる太陽光発電は、日本を抜き世界第3位。

さらに近年は風力発電に特に力を入れており、その割合は全体の半数以上を占めるほど。

2015年には、設備容量が中国・アメリカ・ドイツに次いで世界第4位になるなど、

風力発電の導入が急速に進んでいることがうかがえます。

 

・・・というのも、広い国土を持つインド。その気候は地域によって大きく差があり、

特に6~10月の雨季にモンスーン(季節風)の影響を受けやすい地域では、

太陽光発電量が低下するため補完する目的としても風力発電を導入し発電量を確保し続けているのです。

(低下する発電量を別の再生可能エネルギーで補う!とても効率的ですね!!)

 

2017年、フィンランドのラッペーンランタ大学の発表によると、

2050年には100%再生可能エネルギーシステムへの移行が実現可能であるといわれているインド。

10年以内には人口も中国を抜き世界一になると予測されています。

 

高い経済成長率を維持しながら、再生可能エネルギーシステムの普及と慢性的な電力不足の解消が実現するか。

今後のインドのエネルギー事情に注目していきたいですね!!

 

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*グラフ:主要国の一人あたりの電力消費量 

日本原子力文化財団 図面集 第1章 世界および日本のエネルギー情勢 http://www.ene100.jp/map_1