いま注目のソーラーシェアリングって? ~後編~


◁◁◁ 前編はこちら

 

 

1:普及の拡大

 

2017年5月、ソーラーシェアリングの全国認可件数が1,000件を突破しました。(*1)

都道府県別でみると、千葉県が最も多く、静岡県、群馬県と続いています。

申請のあった全件が実際に稼働しているかは不明ですが、認可件数は年々増加傾向にあり、

今後も全国で普及の拡大が見込まれています。

 

2:ソーラーシェアリングに適している作物

 

 

ソーラーシェアリングでは設置した太陽光パネルによって、下部で生産する農作物への日照が一部遮られるため、

基本的に日陰でも育つ「半陰性植物」「陰性植物」(*2)類が適しているとされています。

 

◇半陰性植物

イチゴ、ほうれん草、小松菜、さといも、キノコ類、しょうが、かぶ、レタス、春菊、パセリ、アスパラガス、お茶、イネ 等

◇陰性植物

ミョウガ、ミツバ、フキ、しそ、らっきょう、セリ 等

 

中でも、お茶は日光を制限することで甘みや深みが増すとも言われ、遮光ネットで被覆をする栽培方法が有名です。

ソーラーシェアリングで上部に太陽光パネルを設置することが遮光ネットの代用となり、

同様の効果を得られることから相性がよい作物の一つと言えます。

 

 

(画像:一般社団法人 全国営農型発電協会)

 

設置する太陽光パネルにもいろいろな種類があり、稲や野菜類・果物類等、幅広い作物に対応できるため、

地域を問わず広く導入が進んでいます。

 

3:震災復興への取組み

 

福島県南相馬市に本社を構えるトーヨーエネルギーファームは、

2017年12月、同市で国内最大級のソーラーシェアリングによる太陽光発電事業を開始しました。

太陽光パネル下部の農地ではみょうがを栽培します。

 

事業地は東日本大震災以前は耕作が行われていたものの、震災後は避難指示解除準備地区に指定された影響や

農家の高齢化などにより遊休農地となっていました。

政府は、土地の有効活用と震災後の地域の活性化のため本事業を重要施策として推進、栽培したみょうがの

ブランド化にも取り組み、今後の復興に貢献していきます。

 

4:最後に…

 

ソーラーシェアリングは、農家にとっても発電事業者にとっても一石二鳥の取組みであることは間違いありません。

しかしながら、前編で説明したように一定の条件があり、継続していくのは容易ではないことを忘れてはいけません。

 

農業収入に加えて売電収入を得られる農家側にとってはメリットが多いものの、

太陽光発電の土地を確保するために、これから農業を開始する事業者側にとっては、農業の知識はもちろん、

実際に農業を行う従事者が必要不可欠となります。いざ開始したものの生産量が確保できず継続できなくなった・・・

などとならないよう、それぞれがメリット・デメリットをしっかり把握し、賢く運用することが重要です。

 

 

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(*1)一般社団法人 全国営農型発電協会:http://farmsolar.or.jp/

(*2)アタリヤ農園「野菜の日照条件」:http://www.atariya.net/kiso/nisho.htm