一石三鳥?!究極の再生可能エネルギー<バイオガス発電>


「バイオガス発電」をご存知でしょうか。

太陽光発電・風力発電・地熱発電などと同様に二酸化炭素の削減効果を持つことに加え、

温室効果ガス削減効果も期待出来るとして、世界的にも徐々に普及が広がっている発電方法です。

“循環型”再生可能エネルギーとも呼ばれるバイオガス発電について、ちょっと詳しくなりましょう。

 

1: バイオガス発電とは

家畜の糞尿や食品廃棄物、木質廃材などの有機性廃棄物からバイオガスを生成、それを燃やして発電する方法です。

比較的認知度の高い「バイオマス発電」が、有機性廃棄物を直接燃焼するのに対し、

「バイオガス発電」はそれを発酵槽で発酵させることでバイオガスを生成、そのガスを用いて発電する仕組みです。

直接燃焼するわけではないため、CO2の排出量が抑えられ、ガスを作った原料の残りは肥料として二次利用も可能

ことから、“循環型”再生可能エネルギーと呼ばれます。

 

 

2: 原料となる廃棄物の種類

バイオガス発電・バイオマス発電ともに、原料は有機性廃棄物とよばれるものです。

現在国内で稼働中の施設では、地域ごみやし尿、食品残渣、家畜の糞尿などを原料とするものが多くみられます。

業種

廃棄物の種類

農業・畜産業

家畜(牛・豚・鶏)の糞尿、刈り草や出荷できない農作物の廃棄物 など 

食品生産業

食品残渣、魚介や肉類・加工時の廃棄物、汚泥、産業用食用油 など

林業・建築業

林地残材、建築廃材 など

官公庁・自治体

地域ごみ(分別したもの)、下水・汚水 など

 

 

3: 発電の仕組み と 発電設備

有機性廃棄物を嫌気環境(酸素のない状態)で発酵(微生物によって分解)させることでバイオガスを生成、

ガスの中に含まれるメタンを利用して発電する仕組みです。処理方法は有機性廃棄物の種類によって乾式と湿式に、

また、発酵温度によって中温発酵方式(約35℃)と高温発酵方式(約55℃)に分類されます。

 ※家畜の糞尿や食品の残渣、汚泥などが湿潤系に分類され、乾燥系に比べ稼働実績は多い

 ※設備費用は湿式の方が少なく済むようです

 

発電設備は、原料の処理設備(選別・発酵・ガスの生成など)と、発生したバイオガスの利用設備(発電設備・熱利用設備・

ガス精製設備)、発酵残渣の処置設備(汚泥と分離水に分け肥料化する設備)で構成されます。

※参考:環境省 メタンガス化施設の構成 http://www.env.go.jp/recycle/waste/biomass/technical.html

 

 

4: メリット・デメリット

◇メリット

・廃棄物処理にかかる費用(=税金)の削減につながる

・24時間365日稼働させることができ、太陽光発電や風力発電のように自然環境や時間帯に左右されず発電可能

・温室効果ガスの排出が少ないため、地球温暖化対策になる

・バイオマス発電に比べ発電プラントの構造がシンプルで、メンテナンス費が少なくて済む

 

◇デメリット

・施設を建設するための事業費が高額である

・認知度が低く他の再生可能エネルギーに比べ導入事例が少ない

・原料の回収方法への懸念

 牧場や生産工場の敷地内に設置できれば比較的楽に原料を回収・運搬できるが、

 離れた場所に設置した場合は運搬業者の手配など検討が必要

 

 

5: これから

環境先進国と呼ばれるドイツや北欧諸国では広く普及しているバイオガス発電ですが、日本における導入はまだまだ

少ないが現状です。その理由として、他の再生可能エネルギーに比べ見識不足であること、正しい運用方法が理解

されていないことなどが挙げられます。さらに、大規模施設向けのシステムだけでなく、中小規模の施設に対応した

システムを構築することも必要不可欠といえるでしょう。

 

現在のFIT価格は39円。太陽光発電における買取価格の下落が続く一方、バイオガス発電は平成24年度から変動なし。

導入が少ないとは言われるものの、設備認定量は数年で10倍以上になっており、今後さらに普及の拡大が見込まれます。

 

廃棄物の処理、売電、さらに肥料として再利用。まさに一石三鳥のバイオガス発電の今後に注目です。

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