再エネだけで必要電力量を生み出すドイツ、伸び悩む日本。

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5月1日午後1時ごろ、ドイツで再生可能エネルギーの発電量が約5400万キロワット時に達した。この時の需要は5377万キロワット時。

つまり、必要な電力量をすべて再エネが生み出した。

欧州28カ国の太陽光・風力、バイオマスの発電量は合計で2017年に石炭火力を超えた。水力も含めれば全体の約3割を再生可能エネルギーが占める。

一丸でエネルギー転換に突き進む欧州に対し、日本の動きは見劣りする。エネルギー基本計画における水力も含めた再エネの比率は30年度に22~24%としたが、16年度の15%から伸びは大きくない。日本は大規模な風力発電を設置できる海や平地など適地が少ない。だがパリ協定が発効し、日本も50年に温暖化ガスを8割減らす長期目標を掲げる。不利を嘆いてばかりはいられない。

日本はいま何をすべきか。

東京工業大学の柏木孝夫特命教授は「強みを持つ蓄電池や、(CO2を排出しない)水素(を用いた発電)の技術開発に力を入れるなど、まだまだ打開策はある」と話す。

地域間で電力を融通する仕組みも必要だ。東日本と西日本は周波数が異なり電気を送れる量が限られるが、設備を増強すれば送電量を増やせる。東日本大震災後から判明していた課題が今なお残る。大手電力が独占する送電網を新規参入者が使いやすくする制度面の後押しも必要だ。地道に国内のインフラを改善し、導入量を増やしていけば再エネの欧州とのコスト差は縮められる。

日本はどんな将来像を目指すのか。国が明確な方向を示さないと、民間企業も焦点を絞れない。

 


引用:日本経済新聞(6月19日付)

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO31891280Y8A610C1MM8000/