北海道地震 大規模停電はなぜ起きたのか?


平成30年北海道胆振東部地震により被災された皆さまと、そのご家族、関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

一刻も早い被災地の復旧・復興をお祈りいたします。

 

---

2018年9月6日 午前3時8分頃、北海道胆振地方中東部を震源地とする最大震度7(M6.7)の地震が発生しました。

この地震により、震源地近くにあった北海道電力 苫東厚真火力発電所(*1)が緊急停止。

道内全域295万戸への電力供給が止まる『ブラックアウト(大規模な広範囲の停電)が発生、日本の電力会社(*2)では初めての事態となりました。

 

◆なぜ?

このブラックアウトはなぜ起こったのでしょうか。

最大の原因は、北海道電力が苫東厚真火力発電所に電力供給を過度に依存していたことによります。同発電所は、道内の電力のうち約半分を供給していました。(下図参照)

 

加えて、電力融通(*3)の容量が少ないことも原因の一つに挙げられます。

北海道と本州側とは海底ケーブルで結ばれた送電線で電力融通を受ける仕組みですが、容量はわずか60万kW。今回の緊急事態には対応しきれませんでした。

 

 

 

◆きっかけ

北海道電力が厚真発電所に依存するようになったのは、2012年に泊原子力発電所(*4)の稼働を停止したことがきっかけとされています。

総出力207万kWの同発電所は、現在原子力規制委員会の安全審査を受けており再稼働は大幅に遅れています。

もし仮に泊原発が稼働していたら、厚真発電所の非常停止を受けたとしても、今回の大規模停電は避けられたという意見は多く挙がっています。電力供給を複数の発電所へ分散できるためです。

しかし福島第一原発事故(*5)以降、日本国内において原子力発電所の稼働については、賛否両論様々な意見が挙がっているのも周知の事実であり、泊原発の再稼働も決して容易ではないのが現状です。

 

原発再稼働についてはさておき、この地震により停止した厚真火力発電所はタービン付近から出火が確認されたほか、ボイラーにも損傷があったと報告されています。一号機は当初の予定よりも早く運転を再開しましたが、全面的な運転再開は11月以降になる見通しです。

主要発電所の損傷によって道内では今なお深刻な電力不足の状態が続いており、政府は20%の節電を呼び掛けるとともに、東日本大震災以来の計画停電(*6)の実施も検討されています。しかし、計画停電が実施されると被災された方々への負担が増えるのはもちろんのこと、産業への影響も避けられません。

道内では各家庭での節電はもとより、工場などは生産時間を深夜にシフトするなど、計画停電回避へ向けた動きが見られています。

 

 

◆集中型から分散型へ

ブラックアウトの発生は、日本の電力会社における供給体制の弱さを浮き彫りにしました。

政府や電力会社は、現在の集中型の電力供給体制をいかにして改めるか、再生可能エネルギーを活用することなども視野に、大規模発電所への極端な依存を解消し電力供給をバランスよく行うため、発電施設の配置を見直す必要があります。

現在の供給体制のままでは、ブラックアウトは他の電力会社においても起こる可能性があります。発電施設を分散し、どんな事態が起きても電力を安定供給できる体制を構築することが今後の課題となりそうです。

 

 


【参考】北海道電力の電力需要について

火力発電(石炭・石油)の占める割合、その中でも苫東厚真火力発電所に集中していることが一目瞭然です。

  

(引用元)北海道電力 電源構成・設備データ http://www.hepco.co.jp/corporate/company/ele_power.html

 


 

(*1)(*2)(*4)(*5)Wikipedia より引用

(*3)(*6)コトバンク より引用